メダカ飼育(室内)「メダカの教科書 vol.2」を読んでみた①

vol.1は、知りませんが・・・

はじめに

Instagramの投稿の中で、よく購入したと報告されている本がありました。

メダカの教科書 vol.2

気になっていたものの、実際内容がどんなものなのかは知りませんでした。TSUTAYAに行き、最初から店員さんを捕まえて(あまり探しもせず)

「あの、すみません。メダカの・・・んん~~図鑑?カタログ?雑誌?・・・ってどこのコーナーにありますか?」

店員さんはこの困った客に一瞬こわばった顔になりましたが、すぐにこの摩訶不思議な質問を解釈してくれました。一直線にこの本があった所に案内していただき、丁寧に挨拶を添えて、去られていきました。困った客に親切なご対応をありがとうございます( ;∀;)。

初めて手に取って、内容をパラパラ見ましたが・・・直感で

いいっ!!

と感じました。オールカラーページで、今さら同じ趣味の人には聞けない、あんなことや、こんなこと・・・(そんな風に書くとエロいですね(*´▽`*))、色々細かくカラーイラストと写真を用いながら丁寧に説明してくれています。

何より読者が見たいのは、最新改良品種の案内と説明だと思います。各メダカブリーダーさんで改良・販売されている珍しい品種が、けっこうなボリュームで案内されています。

よっぽどのめりこまないと趣味本は購入しませんが、これは間違った知識を正したり、新たな知識を導入する上でも大きなメリットがある本だと思いました。

何より、予期せず★になったメダカさん達を新たに増やさないようにする上でも大事なことが記載されています。商品の紹介もけっこう丁寧に解説されていますので、初心者の方が購入する上でも参考になると思いました。

既にメダカ飼育をされていらっしゃる方であれば、楽しみ方の幅がグンっと広がると思います。

まぁ私なんかは、初心者のつもりで購入しましたけどね・・・( *´艸`)

ちょっとずつ紹介して行こうかなと思います。

からだの構造と雌雄の見分け


こういう所から解説されているので、めちゃくちゃ親切ですね
既に小学生の理科の授業からメダカなどの魚類の勉強は実施済みですが、人なんて使わない知識は必ず忘れていきます。覚えていたとしても、どっちがどっち?状態になってしまうものです。だからこそ、こういう解説って意外と重宝されるものです。例えばこんなこと知ってましたか?

①二ホンメダカ(ダツ目メダカ科メダカ属)は大きく2分類?

ミナミメダカ:本州太平洋側・中国・四国・九州地方に生息

キタノメダカ:東北地方日本海側・北陸地方に生息

②頭部の高い位置に大きな目があることがメダカ(目高)の由来
③オスの腹びれは、発情すると黒くなる

発情して腹びれが黒くなるとは・・・まったくの無知でした。

また、雌雄異形がご存知の方が多いとは思いますが、背ビレの切れ込み有り かつ 尻ビレが大きく平行四辺形 であることがの特徴ですが、ついついどっちがどっちだったか分からなくなってしまいます。そんな度忘れした時にさっと役立つ分かりやすいイラストが有難いですね( `ー´)ノ。

じゃあヒレ長だったら?って疑問も見越したようにサクッと解説してありました。

改良メダカの形質


遺伝形質について細かいけど分かりやすい解説
かつて私は黒毛和牛の世界に専門技術員として身を置いていた時代があります。多分皆さんは、黒毛和牛っていったら全身抜け目なく真っ黒で・・・というようなイメージだと思います。

ところが、この黒毛和牛も肉質と肉量の改良のために明治時代から実に数えきれないほどの品種改良が重ねられているのです。外部形質だけでも鼻・口・角・目・顎・首長・体高・胸深・体長・腰角幅・尻長・四肢・尾などなど、まだまだいっぱいありますが、ほとんど全ての黒毛和牛で形質が異なっています。飼育者は、数千頭いてもその1頭の特性を覚えているため、個別対応が可能です。

例えば、真っ黒だと思われがちな毛色ですが、実は、白斑と呼ばれる白い班模様が黒毛和牛にも発現します。遠い遠い種牛や雌牛の形質が後継世代に今もなお発現してくるのです。雌牛ではあまりにもその白班の面積が部位ごとの審査基準を上回ると黒毛和牛としての本原登録が不可となることもあります。中身は黒毛和牛で間違いないのに、外部形質で除外されてしまうこともあるんです。

私は黒毛和牛の専門員でもあり県地方審査員でもありましたので、数千頭に渡る繁殖用雌牛に携わることになりましたが、この形質の多様性は、時として目的や大義、実用性に大きな矛盾と悩みをもたらします。

メダカの世界が、今までどおりこれからも、愛好家とブリーダーさんが明るく楽しい交流と流通ができれば良いですね(^-^)。

話が横道それてしまいましたが、この本も初心者にも分かりやすくメダカの外部形質について解説されています。

体型・ヒレ・目・ウロコ・色彩と柄のバラエティがカラーイラストで分かりやすく解説されています。監修は、”花小屋”の戸松 具視さんという方のようです。

個人的に好きなヒカリ体型、ダルマ体型、ヒレ長、半透明鱗、体内光、ラメ、ブチ(スミ)についても分かりやすく解説されています。

 例えば、ヒカリ体型は、尾ビレが菱形で、腹部の色素胞が腹部に移行して、上から見ると光ることから名づけられたようです。固定率は高いようですが、骨曲がり個体が比較的多く出現するようです。

確かに鳳凰改ヒカリ体型の有精卵からは、骨曲がりが孵化し、短い寿命で★になった個体が散見されました。

 また、ラメはウロコの所々に光が発現するメダカ(最近は全身ラメのメダカも多いですね)で、透明鱗には表れないそうです。全然知りませんでした・・・( ;∀;)
 さらに、体外光は幹之系の品種ですが、背中の青白い光口先まで発現する個体が優良とされるようです。

うちの螺鈿光メダカさんは、嬉しいことに口先まで徐々に光が入ってきています(^-^)。楽しみです!

これらの形質は、黒毛和牛の説明から置き換えると、見た目の美しさ・優雅さ・可愛らしさを追求する品種改良により、まだまだ今から見たこともない形質を生み出していくことになると思います。その可能性は無限です。メダカ愛好家が、ますます増えていくことになります。私も好きな特徴を持つメダカを選別して、自分だけの品種を作出してみたいです。

おわりに

まだまだ、本の解説は続きますが、今回はこのあたりで紹介を止めておきます。実際、手に取って購読されてみれば、一番良いかもしれません。

品種改良は、素晴らしいのですが、近交系数が高まらないかも心配です。近交系数が高まる(つまり、交配させる個体同士の血縁が近くなっていくということ)と、奇形、先天性疾患、病弱、産卵率・孵化率低下などの問題が懸念されます。

余計な心配かもしれませんが、実際に近交系数が”ハトコ”に近いところまで品種改良が進んでいる業界もあり、見えないけど大きな問題となっています。

またどこかで、ご紹介の続きをしたいと思います。

最後までご購読ありがとうございました。(^-^)